体から全ての管が取り除かれ、動きの制約がなくなったおかげで、ベッド上で自由に寝返りを打ったりできるようになりました。
相変わらず傷の痛みに苦しめられていますが、日が経つにつれて確実に緩和されてきています。
採血の強い味方
毎朝、起床後に検温・採血があります。
移植腎が正常に働いているか、体内のどこかに炎症反応がないか、拒絶反応がないかをチェックするためです。
首の透析用短期留置カテーテルが抜けてからは、腕から採血します
何度も言いますが、私は注射針が苦手なので毎朝の採血が苦痛でした。
スマホで検索したところ、同じような悩みをお持ちの方のブログを見つけました。
興味深くページを拝見していると「貼付用局所麻酔剤リドカインテープ」というものに目が止まりました。
針を刺す2〜3時間前に腕に貼っておくと、痛みをかなり抑えられるというのです。
早速、看護師さんに尋ねましたが知らないようでした。
そこで、スマホの画像を見せたところ、薬剤師さんに問い合わせてもらえることになりました。
上の画像が、その日の夕方に処方してもらった実物(筆者撮影)です。
大きめの絆創膏に似ています。
起床は6時ですので、翌朝3時に起きて注射針が刺さるポイントに貼っておいたところ、採血の痛みはほぼ感じませんでした。
このテープのおかげで採血が苦にならなくなったので精神的に楽になり、とても嬉しく感じたのを鮮明に覚えています。
トイレでのミッション
トイレで用を足すに当たってすべきことがあります。
それは、出入り口に設置してある500mlまで入る大きな紙コップを使用して毎回の尿量を測定することです。
紙コップの内側には目盛りが印刷されています
使用済み紙コップは、専用の大きなゴミ入れに捨てます。
感染症予防のため、必ず手を石鹸でよく洗い、ペーパータオルで拭きます。
ベッドに戻ったら、毎日の体重・体温・飲んだ水分量が記入してある用紙に、時間と尿量を記録します。
このことで、体内の水分が正常に排出されているかが一目瞭然にわかるのです
手術後から毎日2リットルの水分を摂取しており、1日に何度もトイレに行くことになりますので、毎回毎回の紙コップでの測定は少し面倒でした。
しかし、そのトイレ通いが結果として歩行の練習になりますので、次第に歩行が苦しいという感覚がなくなっていったのでした。
回復の実感
6日目には、少し前屈みながら、点滴棒なしでも歩行できるようになりました。
日に日に、それまで痛かった動作が平気になり、出来なかったことが出来るようになっていくのを体験します。
回復が確実に進んでいることを実感して、楽しくなってきていました。
やはり歩行が回復を早めるというのは本当なのでしょうね
7日目には、かなり歩行が楽になり、病棟内を自由に歩き回ることができるようになりました。
とはいえ、まだ長い距離を歩いたり、ある程度の時間を直立しているのは難しい状態でしたが。
ここにきて、担当医師より明後日に退院して良いとの許可がおりました。
血液検査や尿検査に異常がないからです。
いよいよこの時が来たのだと心が踊りました。
ただし明日1日、何も問題がなければだよ
と釘を刺されたのも述べておきます。
それだけ、拒絶反応や細菌感染のリスクがまだあり、突然それらが発現してしまう人がいるということです。
8日目、傷の痛みはさらに緩和されてきましたが、右脇腹から下腹部までの突っ張るような違和感が依然として残っています。
それ以外の体調は良いので、午前中は差し入れのお菓子など食べたりデイルームで電話したりして過ごしました。
退院の準備
ベッドに戻り身の回りの整理を始めました。
洗面具や明日使うことのない衣類などを、入院時のときに持ってきたバッグに詰め込んで、不要なものはゴミ箱に入れ、1時間ほどで退院の準備が終わりました。
ワタキューセイモア(タオルや患者衣レンタル業者)の配達員さんが来たので、明日退院の旨を伝えて契約解除をしておきました。
夕方、看護師さんから正式に退院の許可が出たことが伝えられました。
問題がなかったのだと安堵しました。
さいごに
手術後すぐは2人部屋(有料)に入ることになりますが、歩くことがある程度できるようになった頃、空きがあれば7人部屋(無料)に転床することができます。
私は、2人部屋の居心地の良さをすっかり気に入ってしまい、退院まで転床することはありませんでした。