ハロー!腎移植レシピエントの肉球アッパー(@hellokidneylife)です。
いよいよ、待ちに待った退院の日がやってきました。
嬉しくて4時ごろに起床してしまいました
デイルームの自販機でお茶を買い、朝焼けの新宿のビル街を眺めつつ
色々とあったけど手術も無事終わったことだし、もう2度とここに来ることはないだろうな
と感傷にふけったりしていました。
退院手続き
退院は概ね11時頃になります。
看護師さんから入院期間の医療費(差額ベッド代や治療費)の清算用紙を渡されたら、1階の入院窓口に行き保険証と共に提出します。
事務員さんが金額を算出してくれますので、その場で精算します。
余丁町クリニックの予約
退院後は「腎移植フォローセンター余丁町クリニック」に通院し、回復の経過観察や採血・尿検査、免疫抑制剤の処方をしてもらうことになります。
通常は退院して2〜3日後に通院が始まります。
私の退院が木曜日でしたので、土日に重なるという理由から翌日の金曜日に予約を入れてもらいました
東京女子医科大学病院から歩いて10分ほどの場所にあり、移植患者さんはみなさんここに通うことになります。
ただ、都営地下鉄大江戸線の東新宿駅と若松河田駅のちょうど中間に位置していますので、駅から徒歩7〜8分かかり、退院してすぐの患者からすると少し通院に難ありと言わざるを得ません。
退院の最終準備
11時頃に妻が迎えに来てくれることになっていましたので、それまでの間に最終的な帰宅準備をしました。
ベッドの頭付近にあるコンセントからスマホ用の充電ケーブルを抜き、テレビ台を元の位置に戻し、引き出しの中を全てバッグに入れました。
ロッカーから、入院するときに着て来た洋服を出して着替えておきます。
入院中に履いていた室内履きは、持って帰っても使う機会がないので捨てました。
妻が到着してナースステーションに退院の意思を伝えると、看護師さんによるベッドの忘れ物チェックがありました。
ベッドの下、引き出しの中の貴重品入れの中、ロッカーの中、全ての場所をくまなく見て
OK、忘れ物なしですね、ではこれお渡ししますね
と何かの書類。
何だろうと思って見てみると、半年前の初診のときに支払った腎組織適合検査費用の返還の書類でした。
病室からの風景(筆者撮影)
中央病棟9階にさようなら
バッグを持って、看護師さんと妻と3人でエレベーター前まで来たときです。
あ、これ切るの忘れてた
私の右手首に巻かれている、入院初日まさにこの場所で付けてもらった患者識別バンドをハサミで切ったのです。
その瞬間、解き放たれた実感が湧いて来て、退院の喜びを全身に感じました。
感謝と別れの挨拶を交わし、エレベーターに乗ります。
ドアが閉まるまで、笑顔で手を振って見送ってくれた看護師さんの笑顔は一生忘れることはないでしょう。
お大事に〜〜
総合外来センターへの最後の苦行
中央病棟を出ると、初秋を感じさせる爽やかな風が吹いていました。
すぐにタクシーに乗って帰りたいところですが、腎組織適合検査費用を払い戻してもらうために総合外来センター1階の会計窓口へ行かなければなりません。
途中、横断歩道を越えて行く距離は100メートルはあるでしょう。
会計窓口には、多くの一般の外来患者さんが行列していますので、とりあえず待合席に座って少し休んでから列に加わることにしました。
しばらく並んで、窓口に書類と保険証を出し、半年前に支払った腎組織適合検査費用(約7万円)が返還されました。
やっと帰れる〜
行きは地下鉄、帰りはタクシー
入院時には地下鉄で来ましたが、帰りはもちろんタクシーです。
地下鉄に揺られて帰るだけの体力はありません
総合外来センターをあとにして来た道を40メートルくらい戻り、病院正面のロータリーにあるタクシー乗り場に着きました。
ところが、肝心のタクシーが1台も無いではありませんか。
何という不幸
立っているのがツラいので、車道と歩道を区別するポールに体重を預けながら待つこと数分、ようやくやって来たタクシーに乗車することができました。
約3週間ぶりの帰宅
帰宅するにあたって心配だったのは、飼い猫がどのような反応をするかでした。
これほど長く家を空けたことがなかったので、私のことを忘れているのではないかと気が気でなかったのです。
幸いにも、それは取り越し苦労でした。
彼らは、久しぶりにリビングに入ってくる私の姿を見つけると、嬉しそうに歩み寄って来てくれたのです。
はじめのうちは拗ねていましたが、しばらくすると以前のように甘えてくるようになり、思い切り抱きしめたり全身を撫でてあげたりして再会を喜びあったのでした。
さいごに
こうして、私の腎移植手術とそのための入院生活が終わりを告げました。
しかし、お腹の傷は全快には程遠く、歩く、立つ、座る、横になるなど日常の動作は常に痛みを伴います。
入院中は電動リクライニングベッドでしたので、起き上がるときはヘッドアップして上体を起こしていましたが、自宅のベッドではそうはいきません。
腹筋に力が入らないので、起きるたびにかなりの痛みを感じる日々が1〜2週間続きました。
ドナーである妻は、傷が小さいため回復は早かったのですが、それでもかなりの期間、階段の上り下りや重いものを持つことなど、下腹部に力が入る動作には痛みを感じていました。
余丁町クリニックへは当面の間、週2回のペースで通うことになります。
自家用車が運転できるようになるまでは、タクシーによる通院を余儀無くされたのでした。