ハロー!オカルト大好き、肉球アッパー(@hellokidneylife)です。
手術で全身麻酔をされるとき、人は夢を見るのでしょうか?
私は腎移植手術を受け、全身麻酔を体験しました。
初めてのことでしたので、不安な反面、スピリチュアルな夢に対する期待を持っていたのも事実です。
お花畑の夢を見るかも、ひょっとしたら幽体離脱も?・・・
この記事では、全身麻酔での体験と夢を見るのか見ないのか?について書いていきます。
全身麻酔:感じたこと
いざ手術開始というとき、頭の中で1から順に数えるよう麻酔科医に促され、3〜4まで数えたところで視界が周囲から白くしぼんでいき意識を失いました。
全身麻酔から覚めるときに感じたのは、まるで光の中にいるような真っ白くてとても心地良い空間から、寒くて重い世界に引きずり戻される感覚です。
時間の経過を含めあらゆる感覚が無く、目を開けたときここがどこでどんな状況なのか思い出すまで少しの時間がかかるほど。
全身麻酔:夢は見るのか
6時間ほど意識を失っていたあいだ、残念ながら映像を伴う夢を見ることはありませんでした。
そこにあったのは完全な「無」です。
唯一の感覚は、前述の覚醒直前の白い空間と心地良さのみ。
ドナーである妻も「目が覚める前に、ものすごくいいところにいました。聞いたこともない、すごくきれいな音が聞こえていて見たこともない、とてもきれいな光が揺れたり歌ったり。わたしもそこに行きたかったのですが、乗っていた枝が折れたので行けませんでした。」と全身麻酔の感想を述べています。
ほかにもネット上では「光と一緒に昇って行った」「カラフルな空間」「ぐるぐる回ってどこかへ引っ張られた」といった不思議な夢の証言がある一方で、「仕事をしていた」「麻雀をしていた」など通常の夢と思われる証言もあります。
しかし、「夢は見なかった」「一瞬で目が覚めた」「あっという間だった」という声が大半を占めているようです。
傾向としては、悪夢や苦しい夢はほとんど無く、楽しく心地良い夢が多いことがわかります。
全身麻酔:夢の解釈
手術では、麻酔薬のほかに神経遮断薬、筋弛緩薬、循環器感用薬などを投与して強制的に生命活動を低下させます。
そのため各所にセンサーを付け、呼吸や体温、脈拍、血圧、体内酸素の過不足、麻酔ガスや炭酸ガス濃度、さらに脳波レベルの解析を行います。
自発呼吸が止まるため、気管挿管の処置が施されます
低下した脳活動状況下では夢を見ることはなく、あっという間に終わったように感じると考える方が自然だと思えます。
では、夢を見たという証言があるのはなぜでしょうか。
手術が終わると、体内の麻酔薬を徐々に抜いていく覚醒のプロセスが始まります。
意識が回復する少しの間、睡眠と同じような状況になり、このときに夢を見る可能性があるのです。
プロポフォールという一般的な麻酔薬を使用した場合、およそ40%が夢を見たというデータがあります。
さらに、プロポフォールの副作用の1つに「多幸感」というものがあり、これは「楽しく心地良い夢」が多いということに一定の説得感をもたらします。
プロポフォールは、マイケル・ジャクソンが依存し過剰投与がその死因となったことで知られていますね
また、ある麻酔科医の方も同様の見解をされています。
「夢」は外部および内部からの情報入力が遮断された仮想空間における脳細胞活動の結果だから、深い麻酔時に生じるのではなく、麻酔が深くなっていく導入時か、覚醒途中に生じるものだと、個人的には考えているが。
さいごに
医学的に、全身麻酔と夢の関係については、実はよく解っていないのが現状です。
麻酔薬の種類や方法、年齢によって様々なケースが想定されるからです。
確かなのは、「全身麻酔下の脳では夢を見ることができず、その前後の浅い麻酔下に短い夢を見る場合がある」ということ。
私がお花畑の夢を見る暇もなく目を覚まし、最初に思ったことは、
もう終わったの?
これだけでした。
参考:ウィキペディア|全身麻酔、Dreaming in Sedation During Spinal Anesthesia: A Comparison of Propofol and Midazolam Infusion