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【腎移植の知識】ドナーとレシピエントの条件とは?ドナーのリスク

ドナー 腎移植の知識

ハロー!腎移植レシピエントの肉球アッパー(@hellokidneylife)です。

腎臓を移植するときの条件は、どのようなものがあるのでしょうか?

腎臓の移植には、肉親や配偶者から腎臓を提供してもらう生体腎移植と、脳死や心臓死になられた方から腎臓をいただく献腎移植があります。

献腎移植は日本臓器移植ネットワークの献腎移植希望登録が必要で、実際に移植が行われるまでに成人では平均16年ほどの期間を要します。

私は幸せなことに妻から腎臓の提供を受けることができました。

この記事では、生体腎移植ドナーとレシピエントの条件、ドナーのリスクについて書いていきます。

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生体腎移植、ドナーの条件

腎臓を提供できるのはレシピエントの家族(配偶者、父、母、子供、兄弟姉妹、祖父母、伯父伯母など)です。

日本移植学会の倫理指針では、親族からの提供に限るとされています。

親族とは、6親等以内の血族、3親等以内の姻族を指します

ドナーになれる関係性

 

ドナーになれるのは、自らの意思で腎臓の提供を希望している方であり、強制や金銭その他の金品の授受がないことが大原則となります。

また、たとえ本人の希望・承諾が得られていたとしても、友人や善意の第3者はドナーになることはできません

ドナーの適応ガイドライン

A. 年齢は 20 歳以上で 70 歳以下

B. 以下の疾患、または状態を伴わないこと

  • 全身性活動性感染症
  • HIV 抗体陽性
  • クロイツフェルト・ヤコブ病
  • 悪性腫瘍(原発性脳腫瘍および治癒したと考えられるものを除く)

C. 血圧は 140/90mmHg 未満

D. 肥満がない BMI は 30Kg/m2 以下。高値の際は 25 Kg/m2 以下への減量に努める

E. 腎機能は、GFR(イヌリンクリアランスまたはアイソトープ法、クレアチニンク リアランスで代用可)が 80ml/min/1.73m2 以上

F. タンパク尿は 24 時間蓄尿で 150mg/day 未満、あるいは 150mg/gCr 未満、または アルブミン尿が 30mg/gCr 未満

G. 糖尿病(耐糖能障害)はないこと。早朝空腹時血糖値で 126mg/dL 以下で HbA1c (NGSP)値で 6.2%以下。判断に迷う際には O-GTT 検査を行い評価することが望ましい。

H. 器質的腎疾患がない(悪性腫瘍、尿路感染症、ネフローゼ、嚢胞腎など治療上の 必要から摘出された腎臓は移植対象から除く)

<引用:日本臨床腎移植学会「生体腎移植ガイドライン」>

 

なんだかわかりにくいですね

D. の BMI 30 以下とは、それ以上の肥満であると「近い将来なんらかの病気を発症する危険性が高い」と考えられるため適さないということです。

E. の GFR が 80ml/min/1.73m2 以上とは、それ以下だと腎機能に問題があるため、将来腎不全になる可能性があるということです。

自分の BMI の GFR は以下のサイトで調べることができます。

F. のタンパク尿も腎機能に関する項目で、通常の尿検査でわかるものです。

わたしは24時間蓄尿検査なんてしませんでした

基本的に心身ともに健康であることが条件ですが、以下のような軽度の持病がある場合でも腎臓の提供は可能です。

  • 高血圧 検査で腎機能に問題がないと判断された場合
  • 糖尿病 薬物治療をしておらず(糖尿の気があると言われる程度)検査で問題がないと判断された場合
  • 悪性腫瘍(がん) 悪性腫瘍の治療を受けた後、一定期間経過し再発していない場合
  • 感染症 完治している場合

生体腎移植、レシピエントの条件

免疫抑制療法の進歩により、ドナーと血液型が異なる場合や、血縁者以外との移植手術でも良好な成績が得られるようになりました。

そのため、最近は夫婦間での移植が増加しています

レシピエントの適応基準

1. 末期腎不全患者であること

透析を続けなければ生命維持が困難であるか、または近い将来に透析に導入する必要に迫られている保存期慢性腎不全である

2. 全身感染症がないこと

3. 活動性肝炎がないこと

4. 悪性腫瘍がないこと

<引用:日本臨床腎移植学会「生体腎移植ガイドライン」>

 

ドナー同様、腎臓以外の体の状態が良好であれば、高齢な方でも移植を受けられる可能性があります。

腎臓が1つになっても大丈夫?ドナーのリスク

腎移植を検討されている方の中には、片方の腎臓だけになっても平気なのだろうか?と心配なさる方もいらっしゃると思います。

腎機能は提供前のおよそ75%ほどになりますが、これは生活に支障が出るほどの機能低下ではありません

もともとドナーは腎機能に問題がないことが前提ですので、75%ほどになってもその後の腎機能はあまり変化せずに安定します。

むしろ、腎不全にいたるリスクはとても低いと考えられていて、腎提供後に腎不全になって透析療法が必要になることはほとんどありません。

ただし、加齢やほかの病気の影響によって腎機能が衰えてくると、心臓病や慢性腎臓病へと進行する可能性があるため注意が必要です。

少なくとも年1回の定期的な外来受診が必要となります

他の腎臓病を含めた腎臓摘出手術の多くが安全とされ、死亡するケースは稀です。

また、ドナーの生存率は、レシピエントの生存率と変わらないことから、提供によって寿命が短くなることはありません。

もともと健康体であることに加えて定期的な検診を受けますので、むしろドナーでない人より寿命が伸びるという報告すらあります。

さいごに

この記事では、生体腎移植ドナーとレシピエントの条件、ドナーのリスクについて書きました。

ドナーは、親族であれば異なる血液型、非血縁者であっても、健康体であれば問題はありません。

実際には、腎移植を行う病院で様々な検査を詳しく行い、本当に問題がないかを判断します。

私たち夫婦が腎臓の移植をした際も、はじめは不安ばかりでしたが半年の外来通院の検査期間のなかで、万全の体制が整えられてることや双方に問題がないことを知りました。

リスクやその後の生活についての正しい理解ができたことによって、安心して腎移植手術に臨むことができたのです。

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