ハロー!腎移植レシピエントの肉球アッパー(@hellokidneylife)です。
2017年9月、東京女子医科大学病院の中央病棟9階(泌尿器科病棟)に腎移植手術を受けるため入院しました。
そのときに体験したことを記事にしています。
ナースステーションで入院の確認が済むと、ビニール製の「患者識別バンド」を片方の手首にはめられます。
これは退院するときまで取ることはできません
名前とバーコードが記述されたシールが貼ってあり、看護師さんが変わっても毎日の点滴や採血などの取り違えミスが起こらないように、何かと「ピッ」されます。
本人確認のため、同時に名前も名乗ります
病棟の設備
中央にエレベーターが4基向かい合わせにあり、うち2基はベッドごと乗ることができる大きなサイズです。
エレベーターは古めで待たされることがよくあります
隣接してナースステーション、これを囲むように”ロ”の字型に廊下、外側に病室が並んでいます。
共用スペースとしてトイレ、広い洗面所、1人用お風呂、デイルームなどがあります。
洗面所は各病室にもありますが、1人用なので同時に複数人が利用することはできませんでした
お風呂は、家庭用サイズの湯船もありますが、私を含め、ほとんどの人はシャワーで済ますようです。
首から管(透析用短期留置カテーテル)が出ているのでシャワー前に必ず防水処置をします。腕に点滴用の管がある場合も防水処置をしています。いずれにせよ、その部分をお湯に浸けることはできませんからね
しかも、シャワーは予約制となっており1枠30分と時間が限られているので、お湯を張って温まるためには2枠取らなければならず、これはなかなか現実的ではありません。
デイルームは、自販機やテレビカード販売機、共用冷蔵庫、新聞、ソファ、机椅子などがあり、携帯電話の使用やお見舞い客と談笑したり食事したりできます。
病室での携帯電話の使用は基本的にNGです
病棟全体が、冬でも半袖で過ごせるくらいの暖かさに保たれていて快適です。
少し暑いくらいですが、手術後しばらくは和式寝巻き(ガウンタイプ)とT字帯のみで過ごす方に合わせてのことでしょう
新宿のビル群が見えて朝焼け、夕焼け時はとても美しい景観です。
病室の設備
病室は男女別の一般室(6〜7床、4床)、2床室、個室、特別室があります。
一般室は無料ですが2床室、個室、特別室は有料です
一般室と2床室は、ベッド、専用の鍵付きロッカー、共用洗面台、テレビ、引き出し付きテレビ台(貴重品入れ有り)、壁付きコンセント、ベッドライトがありました。
- 個室の設備:上記に加えて専用トイレ、冷蔵庫、電話、無料テレビ。
- 特別室の設備:上記に加えて専用バス。
テレビは有料のテレビカードを差し込んで見るタイプで、イヤホンが必須です
1000度数を1,000円で購入し、視聴すると度数メーターが減っていく仕組みになっています。
デイルームにあるテレビカード販売機で予備も含めて購入しておきましょう
スマホ、タブレット、ノートパソコン使用時は注意が必要です。
フリーWi-Fiはありませんし、電子カルテや医療機器に影響があるという理由で、ポケットWi-Fiの持ち込みも禁止です。
動画など視聴するとすぐデータ残量を超過してしまい困りました
ベッドは、パラマウントの電動リクライニングベッドで足元も上げることができ、とても快適。
ベッドをまたぐ形で移動式のテーブルがあり、ちょっとした作業をしたり食事を摂ったりできます。
テレビの性能は、必要最低限でリモコンの反応がすごく遅くdボタンさえありません。
画像左の手すりにぶら下がっているのはナースコールです。マイクとスピーカーが付いており要件などを伝えるのに役立ちます
起床、消灯、食事の時間
起床は6:00、消灯は21:00です。
起床時にはアナウンス放送があり、消灯時は看護師さんが部屋の電気を消しに来ます。
個室以外の病室のドアは24時間全開で、夜間も廊下は電灯が灯っているので比較的明るく、トイレに行くときも支障はありません。
テレビ番組でよくある、病院の怪談話の再現VTRのような不気味さは全くないです
食事
朝食は8:00、昼食は12:00、夕食は6:00で、準備ができたらアナウンスがありナースステーション前に並べられた保温カートまで各自取りに行きます。
手術後などで歩けない状態の方は、看護師さんがベッドまで持ってきてくれます
献立は、入院患者さん1人1人の病状によって変わります。
保温カートの中に患者名が書いてある紙が置いてあるトレーが並んでいますので、各自探してベッドに持ち帰り食べます。
食べ終わったら回収用カートに戻します。
食事制限があったので「腎臓病食」でした。他には「糖尿病食」や食事制限が無い方用の「一般食」を見かけました
腎臓病食で低タンパク減塩のメニューなので、ハッキリ言って物足りないです。
昼夜も質素ですが、味は普通に美味しいです
免疫抑制剤
移植腎の拒絶反応を無くす目的で、入院初日から毎日欠かさず免疫抑制剤(グラセプター、セルセプト、メドロール)を服用します。
免疫抑制剤の他に持病の薬や胃粘膜保護の錠剤も服用します
それらの分量は前日の血液検査の結果を受けて、朝、看護師さんに告げられます。
免疫抑制剤は9:00と21:00、それ以外は毎食後に自分で服用し、カラをケースに入れておくと、看護師さんがチェックを兼ねて回収して行きます。
飲み忘れを防ぐためには、スマホのアラームがおすすめです。
ただし、周りの迷惑になるので小さい音にしておきましょう
自分で用意する身の回りのもの
洗面用具 | 歯磨きセット、コップ、ひげ剃り、クシ、洗顔料、シャンプー、ボディソープ など |
食事の時に使う物 | お箸、スプーン、フォーク |
日用品 | 下着、パジャマ、かかと付き室内履き、タオル・バスタオル、旅行用洗濯洗剤、ティッシュペーパー、イヤホン、T 字帯(手術時に使用) |
持参薬 | 服用中の薬、お薬手帳 |
この中のほとんどは、敷地内のコンビニ(ナチュラルローソン)で買うことができます。
コンビニといっても、24時間営業ではなく7:30〜18:00までなので注意が必要です(西病棟Aを除く)
さらにあると便利なもの
- カーディガン(病棟から出る場合に羽織る)
- Tシャツ(室内は意外と暑くて半袖で充分)
- 電気シェーバー
- 折りたたみミラー
- トラベル用の耳栓
- 使い慣れた爪切り(ナースステーションで借りることも可能、ただし切れ味が悪い)
- 割り箸、使い捨てスプーン・フォーク(毎回洗う手間が省ける)
- 顔や体を拭くウェットタイプのリフレッシュシート(汗をかいた時やシャワーが使えなかった時のため)
- S字フック(ベッドの手すりなどにコンビニ袋を下げてちょっとした物を入れる)
- 暇つぶしグッズ(ネットは使えないのでアナログなもの)
- 匂いのキツくないアロマグッズ(病院特有の匂いの緩和)
- フタ・ストロー付きのコップ(手術後の体を自由に動かせない時に便利)
これらは事前に準備しておくのが良いでしょう。特にこのコップは、手術後にとても重宝しました
必ず必要なもの
- 診察券
- 保険証
- 筆記具
- 印鑑(手術の際の様々な説明書や同意書に押印する機会がある)
レンタルできるもの
フェイスタオルとバスタオル、患者衣(パジャマタイプ)、和式寝巻き(ガウンタイプ)はレンタルできます。
西病棟Aの1階に「ワタキューセイモア」という業者のカウンターがあり、そこで手続きすると毎日新しいものをベッドまで持ってきてくれて、前日に使用したものは回収してくれます。
手術前にBセットを、手術後はAセット(ガウンタイプ)をレンタルしていました。お金はかかりますが、清潔ですし、手術後しばらくは洗濯することが困難なのでおすすめです
洗濯
中央病棟最上階の12階に、やや古い型の洗濯機と乾燥機がそれぞれ7〜8台設置されています。
誰でも自由に使うことが出来ますが1回100円かかります(テレビカードで支払うことも可能)。
洗剤は、敷地内のコンビニに旅行用の1回使い切りタイプが売っています。多くの人がこれを使用していました
乾燥機を使わない場合は、すぐ横の屋外の物干し場に干すことができます(屋根がないので雨に注意)。
少量のハンガーと洗濯バサミが用意されているだけですので、たくさん干す場合は用意した方が良いでしょう。
洗濯機や乾燥機は、開始時に残り時間が表示されますので時間が来たら速やかに回収しましょう。入れっぱなしはマナー違反です
面会時間
一般のお見舞いは13:00〜19:00です(土日祝日も同じ)。
ただし、ご家族や親族の方に限り、差し入れや手術前後のお世話のために午前中から訪問することが可能です。
感染症予防のため中学生以下や多人数でのお見舞いはできません。
さいごに
初めての入院でしたので何かと不便でしたが、すぐ慣れて快適に過ごすことができました。
当たり前ですが、看護師さんは患者ファーストに徹し皆さん親切で優しいです。
その他、入院して初めてわかったこと
- 意外と医師や看護師が頻繁に来るので、パソコン作業や携帯ゲーム機などでじっくり遊べない。
- その際、〇〇さーん「ガラッ」とカーテンを開けられるので、テレビ視聴時など時々ビックリする。
- イヤホンはコード長めで片耳だけにしておくと周りの音も聞こえるので、突然の訪問に慌てなくて済む。
- 一般室は7人もいると看護師や見舞い人の往来と会話、他人の咳払い、イビキ、ゴソゴソ音が耳障りな時もあるので、医療保険でカバーできる場合は2床室が望ましい。
一番不便だったのは、Wi-Fiが全く使えないこと、中央病棟にコンビニがないことです