サイトメガロウィルス(以下CMV) の治療は朝と夜に投与される1日2回の点滴です。
点滴は大体2時間ほどで終わりますが、ベッドで安静にしている必要があります。
3日に1度の採血以外、特に苦痛をともなう治療や検査はありません。
昼間はヒマ
朝の8時に朝食を摂り、その後2時間ほどの点滴が終わると18時の夕食後の点滴までの間は、基本的に何もすることがありません。
初めのうちはベッドでテレビを見たりしていましたが、だんだん飽きてきます。
そこで、病棟を出て意味もなく総合外来センターに行ってみたりと病院内散策をしてみました。
ただ屋外は寒いので、第1病棟へ繋がる空中渡り廊下(100メートルくらい)を通って総合外来センター裏口へ到達するというルートを使っていました。
インフルエンザなどの感染予防のため病棟外ではマスク着用が必須です
総合外来センター3階(筆者撮影)
天窓から降り注ぐ日光に照らされた通路にあるベンチに座って、何かしらの治療や検査で来院している人々の流れをボーッと眺めていました。
外来の方々は付き添いの方がいる場合が多く、なかでも高齢のご夫婦はよくケンカをしています。
何かを忘れて来たとか、書類が見当たらないとか、まだ順番が回ってこないのかなどなど。
見ていて興味深いのですが30分もすればやはり飽きて来ます。
しかも、あからさまに咳やくしゃみをする人々がいる環境に
免疫抑制剤を飲んでいる自分が、マスクをしているとはいえここに身を置くのは感染リスクが高いだろう
と思い、それ以降あまり総合外来センターには行かなくなりました。
他の病棟はそれぞれ専門の治療がなされていますので、基本的に部外者がブラブラしている訳にはいきません。
次第に散歩は第1病棟1階のナチュラルローソンへの往復がメインになって行きました。
何もすることがないことをしんどいと感じたのは初めてでした。
スマホが救世主
日中はベッドに医師や看護師がやって来ます。
血液検査の結果を渡してくれたり、体調の変化がないかなど軽い問診があります。
そういう時に不在だと申し訳ないので、大体はベッドでくつろいでいました。
本を読むにしても左手首をあまり動かせないので、どうしても短時間になってしまいます。
無理に動かすと「チクッ」と痛むのがいちいち癇に障ります
かといってテレビを見ていても同じニュースやゴシップばかりで面白くありません。
ですのでスマホでネットサーフィンをしたりゲームをよくやっていました。
パズルゲームや花札、将棋など片手でできるゲームが多かったです。
特に花札ゲームは、お手軽で中断ができるし勝ち負けが早いのでハマってしまいました。
食事はやはり物足りない
ある日の夕食(筆者撮影)
なぜか毎日の食事は、前回の入院時と同じ腎臓病食でした。
自宅では普通の食事をしていたので、とても味気なく少なからずガッカリしたものです。
移植腎が安定するのに約半年を要しますので、腎臓に負担をかけないようにとの判断だったのでしょう。
退院後少し太った分をダイエットすることができたので結果オーライですが
看護師さんによって全然違う点滴スピード
CMVの増殖を抑えるための点滴は「デノシン点滴静注用500mg」というラベルが貼られていました。
看護師さんは、点滴をセットしたあとで液がちゃんと入って行っているか必ずチェックします。
ぶら下がった点滴バッグの下の点滴筒という空洞を「ポタリポタリ」と落ちる一滴一滴を確認して、その落ちるスピードを調節するのです。
ところがこのスピードが看護師さんによって全然違っていて面白かったです。
「ポタッ・・・ポタッ・・・」くらいが標準なのですが「ポタッ・・・・・・・・・・ポタッ・・・・・・・・・・」と遅かったり、はたまた「ポタッ・ポタッ・ポタッ」と異様に速かったりするのです。
だいたい2時間かかるところが3時間かかるときもあれば最速40分で終わるときもありました。
点滴滴下計算というもので1秒あたりのスピードを算出するらしいのですが、看護師さんごとに答えが違っていたのでしょうか?
さいごに
CMV治療の入院生活は毎日同じことの繰り返しでした。
体調は悪くないのにベッドでゴロゴロしていること、左手首を動かせない苦労(シャワー時やトイレなど)、3日に1回の採血、食事の物足りなさなどに段々ストレスを感じるようになりました。
いつ退院できるか、全くわからないことも追い打ちとなっていました。