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腎移植後の生活で気をつけるべき点(2)

水日常生活

ハロー!腎移植レシピエントの肉球アッパー(@hellokidneylife)です。

前回は拒絶反応や感染症に関する注意点を紹介しました。

今回は日常生活を送る上で気をつけなければならない点について紹介します。

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日常生活の注意点

データの管理について

定期的な通院時に血液・尿検査を行います。

クレアチニンをはじめとする、検査データの長期的な推移を把握することは、体調管理の上で重要になります。

検査結果のシートは大切に保管しましょう

自己管理していくこと

飲水量と尿量

腎臓が無理なく老廃物を排泄するために、尿量で1日に1,500ml〜2,000mlは確保しましょう。

尿の色を観察し、濃くなっているようなら飲水量を増やす必要があります。

また、汗をかく時期はいつもより多く飲むことが重要です。

体重

毎朝、排尿後の体重を測定します。

前日より1kg以上増えているときは、尿量やむくみ、発熱や血圧を観察して異常が認められれば病院に連絡しましょう。

体温と血圧

体温が38℃を超えるとき、最高血圧が180mmHgを超えるときは病院に連絡しましょう。

薬の服用

免疫抑制剤は移植した腎臓に血液が流れている限りずっと飲み続けなければなりません。

免疫抑制剤は、グラセプター、セルセプト、メドロールの3種類あります

12時間間隔で忘れずに内服することが必須です。

そのほかに胃粘膜保護や抗菌剤の薬も重要です。

免疫抑制剤を飲み忘れたときはセルセプトは6時間まで、グラセプターは12時間までならすみやかに飲みましょう。それを過ぎたら飲まずに次の分からいつもどおり飲みます。

食事について

免疫抑制剤の血中濃度に影響を与える柑橘類の一部は食べることはできません。

具体的にはグレープフルーツ、ブンタン、スウィーティー、ダイダイ、ハッサクなどです(ジュース、ゼリーなどのお菓子も含む)。
オレンジ、レモン、みかん、かぼす、すだち、伊予柑、デコポンなどは、食べても問題ありません。

また、同様の理由でセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)が含まれるサプリメントやお茶などは飲食できません。

基本的に生肉は食べられません。

生卵もできれば控えましょう

生魚(刺身やお寿司)も腎移植後の免疫抑制剤の量が安定してくる6ヶ月後までは食べられませんし、食べれるようになっても新鮮なものに限られます。

牡蠣やアサリなどの貝類も鮮度に細心の注意が必要です。

食当たりなどの消化器の感染症を引き起こすと、下痢や嘔吐によって免疫抑制剤の吸収が妨げられるため移植腎に悪影響となります。

ドロドロ血を誘発する脱水も移植腎によくありません

暴飲暴食は塩分や脂肪の過剰摂取に繋がりますので、肥満や高血圧、動脈硬化といった生活習慣病のリスクがあります。

免疫抑制剤の副作用に「脂肪が付きやすくなる」や「血糖値の上昇」などがありますので、なおさら食事のコントロールは重要です。

バランスの良い食事を心がけ、塩分や糖分、アルコールの摂取量を適正か控えめに抑えることが必要になってきます。

体重増加(肥満)は移植腎に負担がかかるため厳禁です。

健康診断(人間ドック)

ガンなどの大病にかかると移植腎に負担となりますので、定期的(最低でも年1回)な健康診断を受けることが推奨されています。

腎移植後はガンの発症率が一般的にやや高くなると言われていますので、人間ドック、脳ドックでガン検診をすることが重要です。

 

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運動について

腹部を強く圧迫したり強打の可能性があるスポーツは避けるべきです。

具体的にはスキー、スノーボード、サーフィン、格闘技、一部の球技などです。

そのほかの軽い運動は基本的に問題ありませんが、過度の疲労は移植腎の負担になりますので控えましょう。

社会復帰について

移植腎が安定し感染症の心配が減少する、移植後3〜6ヶ月を過ぎてからの復帰が望ましいとされています。

ただし、仕事の内容(デスクワークや肉体労働など)や労働時間によって違ってきますので、医師に相談して決めたほうが良いでしょう。

妊娠・分娩について

妊娠する場合は移植後1年を過ぎてからが良いとされています。

免疫抑制剤の胎児への影響は少ないとされていますが、より影響のないものに変更する場合がありますので、あらかじめ医師に相談することが必要です。

さいごに

前回と今回の2回にわたって紹介してきましたが、こうして見ると腎移植後は一般の人と同じ生活ができると言っても、注意点がたくさんあることがわかるかと思います。

移植腎の長期生着のためには、健康体を保ち続ける必要があります。

特に食事や免疫抑制剤の服用に関しては、厳しく管理していくことが重要です。

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