望むときに安心して腎移植を受け、健やかで楽しい人生を取り戻せる未来。

腎移植体験記【10】入院10日目:手術後2日、痛みの中での歩行

避難経路図入院
中央病棟9階避難経路図(筆者撮影)
ハロー!腎移植レシピエントの肉球アッパー(@hellokidneylife)です。

手術後に最も恐れるのは、急性拒絶反応です。

毎朝、採血と検温、体重測定を行い異常がないかチェックします。

前日の血液検査の結果のプリントが朝に渡されます。

クレアチニンの値が1.72mg/dlになっていたのは感動しました。以前は最高8.9もありましたから

腎臓が正常に働いてくれているのです。

健康な人のクレアチニンの基準値範囲は0.61〜1.04mg/dlですが、腎移植患者の場合は概ね2mg/dl以下になるようです。経過が良好であればだんだんと下がっていきます。
スポンサーリンク

苦しい初めての歩行

体重計はナースステーションの横に設置してありますので、歩いていかなければなりません。

前回も述べましたが、傷の痛みが治まらないうちに、できる限り早く歩行したほうが傷の回復は早くなるのだそうです。

午前中、看護師さんがベッドにやってきました。

さあ、歩いてみましょう

・・・鬼だな

下半身に少しでも力を入れると激痛が走るのに、果たして歩けるのか疑問でしたので渋っていると

女性もご高齢の患者さんもみんな歩くんですよ。チャレンジしましょう!

と、どうしても歩かなければならない様子。

足のマッサージ機を外してもらってから、ベッドをヘッドアップしました。

ゆっくりと体を右にひねって足を下ろして、ベッドに腰掛けている体勢になりました。

ここまでの一連の動作でかなり痛いです

低い声で唸りながら立ち上がると、あまりの激痛に腹部が落っこちてしまうような感覚に陥りました。

私が持参した室内履きは生地の薄いタイプの物でした。かかとを踏んでスリッパのように脱ぎ履きできたので、この時期はとても重宝しました。ただしスリッパそのものを持参するのは禁止です。

右手でキャスター付きの点滴棒をつかみ、左手で腹部を抑えらがら歩き出しました。

看護師さんが、転倒しないように手を添えてくれていますが、足を前に運ぶのがとても重く、引きずるように前に踏み出すので、歩幅が短くて病室から出るのも一苦労。

足のマッサージ機はこれ以降使用しません。点滴棒を連れて歩くのは尿のバッグとドレーンから出る血液のバッグが点滴棒下部に装着されているからです。

ウー、ウウー……

苦しみながら廊下を歩いて行きます。

行き先はナースステーションの脇に設置されている体重計。

前かがみになりながらもゆっくりゆっくり進むのが精一杯。

やっとのことで到着してホッとしていると

ついでだから体重計に乗ってみましょうよ

明日からは1人で毎朝これに乗るのだから仕方ないか

足を上げる動作がこれまたツラい。

幸い体重計の左右に手すりがありましたので、そこに掴まり体を引き上げるようにして何とか乗ることができました。

さあこれで戻れるぞ!

すごく順調なのでぐるっと一周して病室に戻りましょう

・・・鬼だな

病棟はナースステーションとトイレを中心に”ロ”の字型に廊下があります。

もうここまで来たらやるしかないと決めて奮闘すること約10分、なんとか病室まで戻ることに成功。

ベッドに腰を下ろした途端、疲れがドッと溢れました。

できるじゃないですか〜、明日から出来るだけたくさん歩いてくださいね

黙って頷くことしかできない私。

・・・鬼だな

さいごに

ベッドに横になって思いました。

朝は体重測定に行かなければならないし、自販機はデイルームにあるので水やお茶のペットボトルを買いに行く必要もある、痛みがもう少し引けば食事も取りに行かなければならない、結局のところ歩くことになるのだ

まして傷の治りも早くなるなら

自主的に歩いてやるぞ!

と心に誓ったのでした。

タイトルとURLをコピーしました